ほろほろ旅日記2002 4/11-20


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タイ王国 Kingdom of Thailand
4月11日(木)バンコク 4,866歩

 暑くてあまり寝られなかった。一時間おきに目が覚めていた。
 朝8時半に外をうろついてみたが、ほとんどの店はまだ閉まっていた。朝食を食べる食堂すら開いてないって……町だからか、たまたまなのか。仕方ないのでホテルの食堂で済ませたが、味は欧米ナイズされてるし従業員の態度は悪いしでがっかり。昨日の入国イミグレの人はにこやかで感じがよかったんだけどなあ。
 適当に時間を潰して午後二時半、飛行機でやって来る友人の室を迎えにドンムアン空港へ。三時半、日本からの便が到着し、日本人らしき客が次々と到着ロビーに出て来た。室は……来た。と思ったら、一度はこっちに気付かずに通り過ぎてしまった。引き返してきた二度目に合流できたけど……。はじめ、こっちが分からなかったらしい。会うのが久しぶりという事もあるだろうけど、そんなに外見変わったかな。日焼けしてるとは思うけど。
 せっかくなので片道100バーツもするリムジンバスでカオサンへ。昨夜と同じ宿のツインルームに一泊290バーツで。
 一服してから外を散策に出る。室が来た目的のソンクラーン(旧正月の水かけ祭り)は明日からだ。水鉄砲を持っている人もちらほらと見受けられる。遅めの昼食に屋台でピャータイとオレンジジュース。やはり一人で黙々と食べるより楽しい。その後もぶらぶらと見て歩き、夜はマクドナルド。


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4月12日(金)バンコク 11,000歩

 朝9時半頃朝食に出る。既に数人が水鉄砲を持ってうろついていた。いよいよソンクラーンだ。ソンクラーンは元々このあたりで旧正月を祝う祭りで、豊作を願って水を掛け合っていたものが、ここではなんか弾けた祭りになっているそうだ……。

 ソンクラーンを楽しむのは夜にして、昼間は室の提案に従って観光に行くことになった。まずはチャイナタウンへ買い物。ホテルを出がけに従業員の子供に背後から水鉄砲の一撃。最初の一発だ。ま、これくらいなら一年で一番暑いらしい今のバンコクではむしろ気持ちいいくらいだけど。道を歩いていると、シェムリアップからバンコクの車中で一緒だった人と出会う。ソンクラーン用にチャイナタウンで水風船を大量に買い込んできた帰りだとか。むむむ。やる気だ。

 近くの水上バス停プラ・アティットからチャイナタウンまで6バーツ20分。のんびりしたものだが、バンコク名物の渋滞に巻き込まれないで済むわけだし、いいじゃないか。チャイナタウンに入ると道行く人の顔がタイ人から中華系に変わった。手近の公衆電話から室にタイのオリエンテーリング協会へ電話をかけてもらう。バンコクに来たからには訪ねたいのだが、日本を出る前に出したメールには返事が来なかったし、自分の英語力ではまだ電話などかけられないので英語の堪能な室に頼んだのだ。が、英語が通じず、全然だめだったらしい。仕方ない。
 チャイナタウンを冷やかしてまわり、適当な食堂でビーフンラーメン30バーツの昼食。帰り道にこれから先必要になりそうなサンダル(180バーツ)と半ズボン(80バーツ)を買う。いい買い物だ。
 チャイナタウンを終え、次の観光地に。王宮の前まで行くが、半ズボンサンダルはダメとか写真はダメとか入場料に125バーツもいるとかいろいろあって、外から眺めただけで断念。
王宮を外から見ました
 南隣にあるワット・ポー(タイ式マッサージの本家で有名)に行く。入場料20バーツ。中はやはり旧正月ということで、いろいろな飾り付けが行われていた。有名な寝釈迦像は本当に大きい。
 
 が、建物いっぱいの大きさなので、全体を見るのは難しい。しかもなにやら修理中のようでピケに覆われており、正直あまり雰囲気はなかった。バラモン教の影響が有名な偏平足の裏は見れたけど。それと本尊が金ピカで、同じ仏教でも日本とは違うことを痛感。そもそも僧侶の格好から仏塔の形まで、日本とは全然違うんだけど。
室 

 宿に帰る。道すがら濡れねずみになっている人を何人も見たので、お腹は空いていたがまっすぐ宿に戻った。出撃するには格好から何から、いろいろ整えて行かないとヤバイから。6時半、いよいよカオサンに出撃。水を掛けられるだけじゃなく、小麦粉を水で溶いたようなのを塗りたくる事までやっているよ。これはヤバイ。カオサン通りに入ったらまさに乱痴気騒ぎ。ただ、水はともかく小麦粉は誰彼構わず塗るのではなく、知り合い、可愛い女の子、得物を持った者限定で、他はおまけ程度のようだ。カオサンを外れても、そこここで地元の子供と欧米人が水鉄砲で撃ち合いを楽しんでいる。
 一度宿に戻り、落ち着いてから夜10時に再出撃。夜が深くなっても人が減るどころかさらに増え、熱狂の度合いも増していた。水をかけ、塗りたくってくる人も増えた。僕も室も、今度は思い切り攻撃を受けてしまった。ま、それを楽しみに来たんだからいいんだけど。どろどろのへとへとになって宿に帰る。 


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4月13日(土)バンコク ?歩

 タイでは今日から三日間がソンクラーン休みらしい。まあカオサン界隈でやっているのは昔からの祭りじゃなくて、タイの学生と外人が中心になって盛り上がってきたものらしいけど。朝から町は盛り上がっている。外人もタイ人もめいめい水鉄砲を構えてそこらを闊歩している。荷台に何人も陣取って水を飛ばしてくる、移動砲台のような車もある。カオサンを離れていてもこれか。一般の通行人も遠慮なく水を掛けられているが、祭りの意義からしたら水をかけられるのは喜ぶべき事だそうで、みんな掛けられても笑っている。
バスにも平気で水ぶっかけるんですね 道行く人ならなおさら
 午後二時過ぎにカオサン通りに繰り出そうとしたが、とんでもないことになっていた。ホテルの前でも大概だと思っていたのに、それどころではなかった。そもそも、カオサン通りに着けない。その手前から人でぎっしり。車も何も、身動きの取りようがなくなってしまっている。そして、人も車も家も通りも、みんな小麦と水でべっとりと真っ白だ。溢れ返る祭りの熱気が凄い。まさに祭りの雰囲気。なんとかカオサンに突入する。が、人が限界近くまでひしめきあっていて、じりじりとしか進めない。口々に「ハッピーニューイヤー」「ハッピーソンクラーン」と言いあいながら練り歩く。そこらじゅうで水をかけられるが、それよりも水で練った小麦粉を塗りたくられる事の方が多かった。
 二時間ほど堪能してホテルに戻る。すっかりどろどろなので、まずシャワーだ。Tシャツ、海パン、サンダルの格好で行って大正解だった。事実、他の町から到着したばかりのツーリストはリュックから何から、どろどろにされていたから。
カメラが危なかったです、はい 無法地帯でしたね
 夜8時半、室帰国。空港へ行ってくれるタクシーを捕まえるのに大分苦労していた。
 室を見送ってから一人でもう一度カオサンへ。夜になって小さい子供が帰宅したせいか、少し歩きやすくなっていたが、逆に人々のテンションは上がっていた。小麦粉を塗りたくられるのがついに眼鏡に及んできた。それされると前が見えないんだって。
 今夜はツインに一人で寝る。


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4月14日(日)バンコク ?歩

 朝、シングルルームに部屋替えを申し出たら満室だと言われてしまった。というわけで、今日は宿探しから始まった。しばらくはバンコクにいる予定だし。今カオサンに近付くとわやくちゃなので、いくらか離れたところを見てまわる。1時間ほどうろついた結果、プラ・スメーン砦近くのP.S.ゲストハウスに決定。一泊130バーツで周辺環境がそこそこよく、セキュリティや清掃がしっかりしており、なおかつスタッフの感じが良かったので。
ま、シンプルな部屋ですわ
 一時過ぎにソンクラーンを見に行く。宿の近くはたいしたことなかったんだが、カオサンは三日間で一番熱狂的だった。全身どろどろの泥人形率も昨日よりはるかに上。ま、こんなに騒ぐのもそうあることじゃなし、堪能しました。
 宿に戻ると宿の前の道が交通規制されていて、小麦でどろどろだったのがすっかりきれいに掃除されていた。路傍では子供達が絵を書き、氷の彫刻が作られている。

 何かと思って宿のおばちゃんに尋ねたら、「Princess has come」。なるほど。近くのプラ・スメーン砦で新年祝賀行事があるらしい。宿の屋上も立ち入り禁止になっていた。


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4月15日(月)バンコク ?歩

 今日もソンクラーンだ。さすがに飽きた。小麦粉泥はもういい。が、外は相変わらず大騒ぎだ。というか、今日が一番激しい。外に出る事を諦め、食事も宿の一階の食堂で摂る。一階が食堂兼酒場、二階から上が宿というのは、このあたりでは普通なんだな。

 本を読み、宿のロビーで電池の充電をして過ごす。この宿、部屋にコンセントがないんだ。そうしていると、ソンクラーンの事を知らずにバンコクに辿り着いてしまった哀れな旅行者が何人かやって来た。あーあ。水鉄砲と水着で突入していった旅行者もいたけど。
 明日はこの乱痴気騒ぎも収まっているだろうか。ここまでの旅の途中で会った旅行者に「ソンクラーンを見にバンコクに行く」と言ったら変な顔をされることが多かったが、それがよく解ったよ。
 そろそろ動きたくなってきた。この祭りが終わったら、本当の放浪が始まる。ここまでは期限と目的地が定まっていた旅だったが、ここから先は何の制約もない。心と足の向くままに動く時が来た。まずは聞く人聞く人、みんながいい所だと言うラオスに行きたいが、その前にビザをとらないといけない。バンコクで取れば安いらしいが……明日だな、明日。今日の騒乱の中では、何もできない。


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4月16日(火)バンコク 5,900歩

 昨日特に何もしてないのに、11時間も寝てしまった。ソンクラーンは本当に終わってるのか不安だったが、外に出てみると終わっていた。後片付けをしている人がいるくらいだ。ネットをしてからカオサンをうろつく。アスファルト敷きの道路が小麦粉で真っ白なままだ。祭りの余韻とはいえ、凄いなあ。
もう道が真っ白
 改めて見るとカオサン、噂に違わずいろいろある。偽学生証を作るところも堂々としたものだ。客も多いし。Tシャツも日本人として首を傾げたくなるようなのがいろいろ売っている。「契」とか「大和魂」みたいなのは着ている人も多いけど、それ以外にもいろいろ不思議な日本語Tシャツが売っている。リポビタンDのラベルそのままのデザインのものとか。日本のアニメキャラクターをでかでかとプリントしたやつなんて誰が着るんだと思っていたら白人の姉ちゃんが堂々と着ていたりするし。ここを歩いている日本人も、海外旅行というより梅田や三宮を歩いているような若者が多い。
 旅行代理店にラオスビザの取得代行を依頼しに行く。ラオス大使館は遠いし、言葉も不安なので。日本人がやっているので有名なMPツアーに依頼。700バーツ。出来上がりは金曜夜。ちょっと真面目に英語を勉強しないとこれから先、本当に困ることになるよなあ。
 明日は早起きできればバンコクノーイ駅に行ってクワイ川鉄橋を見に行くか、バンコクの中心部、ホァランポーン駅からサイアムスクエア周辺を見て歩くかのどちらかをしたい。


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4月17日(水)バンコク 20,412歩

 予想通り早起きできなかったので、今日はバンコク見て歩きに決定。昨日サンダルでうろついてたら足裏に水ぶくれができたので、今日は靴。まずは列車の時刻を調べにトンブリーことバンコクノーイ駅に行く。川を渡った対岸にあるので舟で行こうとしたが、いっかな来ないので歩いて行くことにしたら40分以上もかかってしまった。途中、ソンクラーンの汚れを落とす清掃作業中の放水を思いっきり被ったりしながらも、どうにか到着。外はたまらない熱さだが、駅構内は日陰になっていてひんやりと涼しく、気持ちいい。地元の人もくつろいでいる。
ここからは列車は出てないけど、ホームでくつろぐ地元の人達
 時刻表を見ると、カンチャナブリーを観光してから終点のナムトックへの日帰りは……無理。一日でナムトックを往復できるのは一日一本しか走っていない。終点まで乗るか、クワイ川観光するか、どちらかしかできないようだ。
 次に、バンコク新交通システムのBTSに乗りに行く。今度はちゃんと船に乗り、サトゥーンへ。ここが二本ある路線のうちの起点の一つだ。BTSは全線高架で、静かな乗り心地。料金はかなり高めだが、設備自体、他の公共交通機関と比べたら格が違う。車内は冷房がよく効いていて、窓は暑い国だからか、日光を徹底的に弱める工夫がしてある。乗車券は切符ではなくカードで、改札は自動。至る所に見張りの駅員さんがいる。高架だから、見晴らしもいい。面白くて、用もないのに全線完乗してしまった。
BTS
 せっかくだから、JCBプラザに足を運ぶ。例によって用はないんだけど。ここのスタッフは現地の人だけだったが、日本語を喋り、愛想も良かった。が、客がねえ。後から入ってきた25歳くらいの男性が別送サービスを頼もうとしたらスタッフが知らなかったので「話にならんじゃないですか」とネチネチネチネチと嫌味を言い出して。いちゃもんをつける前に知ってる人を呼んでもらうか日本に電話してもらえばいい話だろうに。
 次いでバンコク一の繁華街、サイアムスクエアに行く。凄い人出だ。特に驚いたのが伊勢丹。いくら日本企業だといっても、店内放送が日本語って。タイなのに。その中にある紀伊國屋書店に行くと、店内の1/3ほどは日本語書籍のコーナーになっている。新聞なんてデータを受信してこちらで刷っているのか、昨日のが並んでいる。でもやはり高い。210円の漫画雑誌が160バーツ、500円の文庫本が大体3〜400バーツ。日本の定価に輸送費と関税をかけたらこうなるのか。それでも日本の書籍が普通に買えるのはすごい事だよな。周辺には日本食レストランが沢山。タイで働いてる日本人にはありがたいんだろう。店員はタイ人だが、日本語で挨拶してくる。ベトナムやカンボジアでは珍しくなかったが、この国では珍しい。でも値段が2〜300バーツからでは、貧乏旅行者にはなかなか手が出ない。普段20、30バーツで済ませてるもんなあ。
 次いで、長距離列車の資料をもらいにホァランポーン駅へ。歩いて行くにはちと遠かったが、大きい駅だ。待合室ではタイ人、外国人とも大きな荷物を抱えてそこらにたむろしている。インフォメーションで悪戦苦闘してチェンマイまでのダイヤと料金表をもらう。大体15時間で、エアコンなし寝台上段が491バーツ。カオサンから出ているツーリストバスなら330バーツ。値段ならはっきり差がついているが、寝台で横になったほうが楽だし、どうしたものか。
 これで今日の目的は終わったので、宿に向かう。ふと思いつき、久々にわざと道に迷ってみることにした。駅から10分ほど、適当に曲がりつつ、何も考えずにずんずん歩く。さて。ここはどこかな。海外でこれをやるのは初めてだ。バンコクの中心部ならそこまで危なくはないだろうと踏んだんだが。地図を見ても現在地が全然リロケートできず、試行錯誤しながら彷徨う。トゥクトゥクがやたらと声を掛けてくるのも無理はない。観光客が観光ルートから外れたところを一人でうろうろしてるんだから。でも今は好きでやってるんだから、日没までは放っておいてくれ。なんとかチャイナタウンのボート乗り場に辿り着き、ボートで宿の最寄のプラ・アティットまで戻る。
 ネットをして、夕食。なんかえらく水分と糖分が不足してるのを感じたので、スイカやオレンジジュース、カルピスソーダ、ペプシマックス、シュウェップス等々、買い漁る。食事は宿近くの屋台で20バーツの中華風麺、バーミーナーム。
 それにしても今日はよく歩いた。疲れた。


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4月18日(木)バンコク → ノンタブリー → バンコク 13,960歩

 寝過ごした。昨夜は九時半に寝たんだが何回も目が醒めて、うつらうつらしてたら結果的にナムトック行き列車に間に合う時間を過ぎてしまっていた。
 さて、暇になってしまった今日はどうするか。思いつくのは、町歩きに持ち歩くナップサックがぼろぼろになってしまってることか。旅に出てからまだ一ヶ月も経ってないけど、以前からずっと使ってきたカバンだからなあ。もう底が抜けかけて、肩紐も片一方は千切れてて、限界だ。まずはカオサン界隈を物色。高いなあ。大体400から500バーツ。まあ交渉で値切れるんだろうけど、外人相手にぼったくってるところじゃどのみち適正価格では買えないだろう。
 それはそうと、いい加減慣れてきたけど物乞いもいろいろいる。10歳位の少年が、カオサンの中にあるコンビニで缶コーラを買って飲んでたくせに、こっちに気がつくとコーラの缶を脇に置き、急に哀れっぽい顔をして手を差し出して「10バーツ」おいおい、いくらなんでもバレバレだ。
 これまで何度か乗ったボートの北の終点まで乗ってみることにした。ノンタブリーと言ってバンコクの隣の県らしい。約40分で到着。降りてみて驚いた。外国人が全然いない。みんなタイ人。バンコクではどこに行っても外国人がいたのに、たったこれだけ移動しただけで……。車通りも人通りもごく普通の、地方都市。こういう雰囲気、好きだなあ。
渋滞も、バンコクほどではない シンボルタワーなのかな?
 ここでカバンがないか見てみる。あった。地元の人が行くような雑貨屋。言い値の段階で190バーツか。買った!
 バンコクに戻り、メールチェックをする。先日一緒にいた室からのメールで、明日ナムトックに行くつもりだったのを変更。駄目で元々、タイのオリエンテーリング協会を探してみよう。週末はやってないだろうから、明日。
 宿に戻って新しいカバンに荷物を詰め込み、外に出た瞬間。いきなりカバンが……壊れた。……あれ? 修復不能な壊れ方だ。190バーツを無駄に浪費してしまった……。仕方ないので、近くの寺の屋台で売っていた、僧侶が使ってるような肩から掛ける大きなズダ袋を買う。一枚布なら簡単に破れないだろうし、破れても簡単に縫えるから。

 関係ないけど、こっちの犬猫は野良も飼いも、だれてるなあ。


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4月19日(金)バンコク 11,172歩

 バンコクの猫ってみんな尻尾を詰めてるんだが、その切り口が爆発したようになってるのは何故なんだろう。
 駄目元でオリエンテーリング協会に行くつもりだが、昨夜ガイドブックを見ていたら日本人街があるらしいので、まずそこに行ってみる。市バスに乗って行けば安いのだが、勝手が分からないので高くつくが、慣れたボート&BTSを使おう。今日もいい天気だ。ボートで駅に向かう途中、きれいな橋や有名な暁の寺院などが見える。
立派な橋です 暁の寺院。だったと思う。
 BTSでASOKの一つ向こうまで。そんなに広い範囲ではないが、通りの看板のほとんどが日本語メインだ。そこにある東京堂書店は日本の本ばかり。フジスーパーというスーパーマーケットは完全に日本スタイルだ。客層も日本人ばかり。バンコク駐在員の妻とその子供といった風だな。特に何も買う気はなかったが、見ているうちに気が変わり、コンビニおにぎり30バーツ、手巻きおにぎりツナマヨ20バーツ、サンドイッチ35バーツ、ポッカキャロットジュース22バーツを買う。今まで日本食を恋しいとか思ってなかったのに、むさぼるように食べてしまった。やはり心の底では飢えていたのだろうか。古本屋でまだ読んでない週刊少年チャンピオン発見。99バーツ。ええい、買ってしまえ!
 次いで日本大使館(領事部?)に行く。入る時にX線検査があるとは、警戒厳重だなあ。タイの地図でももらえないかと思って行ったのだが、とてもそんな雰囲気ではない。何かの申請や相談に来た人ばかりだ。早々にお暇する。

 いよいよ本日のメイン、タイオリエンテーリング協会探し。ホームページに載っている住所と観光用の地図を頼りに、協会があると思われるロイヤルアーミースタジアムにBTSに乗って向かう。戦車があり、武装した軍人が門の所に佇立している。うう、軍関係の施設はやはり近寄りにくい……。しばらくその周辺をうろうろするが、そこしか入り口らしきところはない。意を決して軍人さんに話し掛ける。果たしてつたない英語で通じるのか……? と、軍人さん、意外と言っては失礼だが、笑顔でフレンドリーに対応してくれた。若い歩哨の兄ちゃんと、詰め所にいたおっちゃんの二人。相手も英語は苦手なようで、こっちと似たようなレベルだ。つまり、ボロボロ。それでも悪戦苦闘して地図と住所を書いた紙を見せながら話し、なんとか必要最低限のコミュニケーションが取れたところによると、「ここではない」と。確かに目的地の住所には「ロイヤルアーミースポーツスタジアム」とあり、ここは「ロイヤルアーミースタジアム」だが。違うのか。
 ならそこにはどう行けばいいのかと尋ねたら、タクシーに乗ればいいと。タクシーか……。確実を期して、再度ネットで住所を確認しようと思い立ち、ネットカフェを探す。すぐ近くのビクトリーモニュメントのあたりにも、少し戻った中心部、シーアムのあたりにも見つけられない。仕方なくサラデーンまで戻る。ここにはあったのを覚えていたから。するとなんだ、違うぞ。IOFのページからリンクされている住所とタイの公式ページに載っている住所が。なんだこれは。通りの名前からして違うじゃないか。公式ページの方が正しいんだろう。バンコクの渋滞の酷さはよく分かってるのでビクトリーモニュメント駅まで戻り、そこでタクシーを捕まえる。
 「アイウォントゥーゴートゥーヒア」と住所を書いた紙を渡したのだが、人の良さそうな運ちゃんはいきなり悩んでしまった。もしかして住所がおかしいのか? しかしお互い、言葉がほとんど通じない。ごめん、英語すらできなくて。なんか無線で相談してから走りだし、着いたのが高級ホテル。え? と思ったら、ここのホテルマンに住所を聞きに寄ったのだった。なんとか場所が分かったらしく、再度走りだす。渋滞や一方通行に阻まれながら、一時間くらいかかったろうか。ようやく辿り着いたのはバンコク中心部からかなり空港に近付いたあたり。「アーミースポーツスタジアム」とある。着いた。が、守衛のおっちゃん(もちろん軍人さん)に尋ねた答えは「オリエンテーリング協会? ここにはそんなものはない」。あれえ?
 再びタクシーで走りだす。今度はその運ちゃんのタクシー会社(といっても小規模なものだが)まで。無線で連絡を取っていたらしく、ボスらしき人が待っていた。その人がメモを見て協会に直接電話してくれた。しばらく話した後、ボスらしき人が尋ねてきた。「ユー プロミス? トゥー ミート ヒア?」メールに返事もなく、電話しても英語が通じず、あげくに無言で切られたのにあるわけがない。ない、と答えると「ウィー キャンノット センド ユー」と。……あー、向こうと話して、アポなしは駄目だという話になったんだな。仕方ない。あきらめよう。
 最寄の駅までタクシーで送ってもらう。メーターは133バーツだったが、運ちゃんは100バーツでいいと言ってくれた。ああ、アジア的な人のよさだ……。
 カオサンに戻り、ラオスビザを受け取る。ついでに手持ちのバーツが40バーツになってしまったので一万円を両替する。3,253バーツ。前から思ってたが、このへんではタトゥー入れてる人、多いなあ。


タイ王国 Kingdom of Thailand
4月20日(土)バンコク 11,591歩

 暑い。今がタイでも一番暑い時期だそうだ。なるほど。けど、暑いながらも慣れてきたかな。午前中は宿のロビーで電池の充電をして過ごす。これからバングラデシュに行くという日本人客に会った。もっと話を聞きたかったが、外に行く用事があるとかで別れる。外に出たら日射病か、ちと頭が痛くなった。日陰を選び、オレンジジュースを飲みながらカオサンにTシャツを見に行く。友人が欲しいと言っていたものがあるかの下見だ。
 宿に戻ると3日前から挨拶はしていた日本人客がロビーにいた。かなり旅慣れた様子だが、話してみるとこれから昆明に行くとか。いろいろだなあ。自分はこれからチェンマイ行きの夜行列車の切符を買いに行くんだと話したら、市バスの乗り方を教えてくれた。なら、バスに乗ってみるか。宿の近くのバス停留所で53番の赤バスを待ち、乗る。すぐ車掌さんが切符ロールをカチカチいわせながらやって来たので3.5バーツ払う。赤バスはこの値段で均一だから楽だ。

 途中乗り換える必要があったが、ダイレクトに行くので渋滞してもボート・BTS・歩きで行くよりはるかに早い。安いし。バスは、乗ることに慣れてしまえば便利だな。
ホァランポーン駅
 ホァランポーン駅着。窓口に並んでチェンマイ行きの夜行切符を買いたいと言うと、拍子抜けするほど簡単に買えた。土曜夕方の五時半に買いに行って、なんでその日のチケットが買えるんだ? 今夜のに乗るわけではなく、言葉の行き違いで発券されただけで、再発券してもらったけど。タイの鉄道は混んでいて、ベトナムほどではないにしても簡単には買えないと聞いていたんだが。それにしても、ここの窓口の人は愛想もすごく良く、感じがいい。22日バンコク発、二等エアコンなし上段寝台で491バーツ。寝台列車は好きだ。
 帰りも53番のバスを使ったのだが、バスストップの場所がよく分からず、戸惑う。なんのことはない、一方通行の道を多く通るので、逆方向の便はなかったんだ。53番は循環で、ぐるっと大回りして宿の近くまで戻る。帰りのルートは来た時の2、3倍の距離を渋滞の中進むことになった。宿に6時過ぎには戻れるかと思っていたら、7時過ぎになってしまった。別に戻った後の用事なんてないから構わないんだけど。


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