2007/2008シーズン
3月




2008/3/8(土) 近鉄花園ラグビー場


●今年度最後の花園
 今年何度も行ってますが、何度でも言います。僕の家からは花園は遠い。遠すぎる……。往復で約四時間、三千円強もかかるんですから、よっぽど興味深い試合でなければとてもじゃないけど行く気にはなれません。今回に関しては、世間一般で言われるところの前座の試合が僕的にはメインでした。もちろん後の試合も楽しみではありましたが、それだけでは行ってなかったなあ。


ATQチャレンジシリーズ 平成19年度三地域対抗試合
関西代表 38-46 関東代表

関東代表 前半 4 3 0 0 26 46
後半 3 1 0 1 20
    PG DG 合計
関西代表 前半 2 1 0 0 12 38
後半 4 3 0 0 26

Kick Off 12:00
観衆 2,292
レフリー 齋藤卓将


出場選手
1平島 久照 2村上 正幸 3伊藤 雄大(ヤマハ発動機) 4吉田 永昊 5近藤 洋至 6辻井 将孝 7吉岡 宏樹(NTTドコモ関西) 8マナセ・フォラウ(豊田自動織機)
9吉田 正明(豊田自動織機)
10森田 恭平 11末藤 雅宣 12大橋 由和 13大石 嶺 14上田 泰平(ホンダ) 15松下 馨(ヤマハ発動機)
リザーブ
16田中 貴士(ホンダ)
17金武 貴之 18井上 敦智(NTTドコモ関西) 19高田 裕雅(豊田自動織機)
20吉田 達也(ホンダ) 21長野 直樹(関西学院大学) 22筒井 敏光(豊田自動織機)
赤太字=神戸製鋼所属 太字=兵庫県のチーム所属


●今日のグラウンド


 この試合の後で行われる日本選手権仕様の座席割りになってたようで、普段は全面自由席のバックスタンドの中央部ががらんとしてました。ま、勝ち負けがほとんど重視されない試合ですから、よく入ったほうではないでしょうかねえ。


●試合について
 三地域対抗は初めて見ましたが、ジャージは上とソックスは揃ってるんですが、パンツはそれぞれの自前でしたね。いや、神戸製鋼の選手の多くがいつもはいてる赤三本線のをつけていたので気付いたんですが。白地ならなんでもよかったんだろうか。微妙に経費節約してるのかな? しかし、関西代表のジャージ、臙脂と白のボーダーに緑の背番号というのも不思議な感じでした。


 関東代表は、関西代表の守備の穴を見つけるのが上手い印象でした。ぽっかり空いた大外にキックパスしてトライとか、ギャップを突いてトライとか、何度も見せられましたし。

 でもフォワード戦は、神戸製鋼の選手が多い割に、スクラムやモールで押されまくっている印象はありませんでした(^^;

 しかしこの試合、ジャパンに連なるATQの選考を兼ねていると言っていたわりに、ジャパンの生命線であるはずのディフェンスのミスが目立ちましたねえ。いくら若手とはいってもトップリーグでプレーしてる選手が多かっただけに残念です。やはり即席のチームではディフェンスのシステムを熟成させる時間が足りなかったんでしょうか。
 でも、わざわざ直前合宿をしただけあってか、セットプレーのリスタートの早さなどは目を引きました。


 三地域対抗はまだ来週、関東代表対九州代表が残ってますが、果たして誰がATQに選ばれるのか注目です。既に選ばれている関東のテビタ以外、誰も選ばれないなんてことはないですよね。それだとさすがに興醒めですから。


●選手について
 出場選手のところで色分けした通り、今年の関西代表は神戸製鋼の選手がメインでした。まあ今年はトヨタ・ワールド・近鉄はシーズンが終わってなかったので選手を出せませんでしたからねえ。神戸と同時にシーズンが終わったヤマハが多くないのはなぜだろう。今年から三地域対抗がATQチャレンジという、ジャパンに繋がっていくべき試合と位置づけられたのと関係あるのかな……? 神戸の選手もレギュラーと言えるのは平島くらいでしたし。吉田と森田、大橋・大石あたりはレギュラー争いをしてましたが。

 森田、今日はヘッドキャップをしてませんでした。なので最初は誰だろうって感じでした。イメージチェンジ?(^^;
 キックパスも慣れてきたのか精度が上がってましたし、サイドぎりぎりからの難しいコンバージョンも両サイドから見事に決めてました。後で行われたトヨタ-三洋の試合でも何度も外してた角度だったんですが。キックはどんどん上達していってますねえ。

 ……ただ、ずっと課題と言われ続けているアタックとディフェンスは……。攻撃ではボールを受けたら最初からパスの体勢に入ってたので、相手の選手も最初からそっちに向けて走ってました。もっとホラみたいに自分で突破したり、するかもと直前まで相手を迷わせないと攻撃の精度が上がっていかないのでは……。ディフェンスも相変わらず追いすがるけどジャージを掴むタックルが大半でした。せっかくのサイズを活かせてません。キックもいいんだからそこがなんとかなれば……ああ、もったいない。好きな選手なんですけどねえ。

 近藤は相変わらずハンドリングミスが目立ったような。強さ、激しさの前にそこをなんとかしないと。ちなみに後半にはシンビンを食らってました。にしても試合中のコールで「エッフェル!」と呼ばれてるのはいいんだろうか。こんどう、の方が呼びやすい気がするんですが(^^;


 途中出場の金武は、やっぱり人に対しての強さが目を引きました。複数からタックルを浴びせられてもちょっとやそっとでは倒れない。まあトップリーグでもそうでしたから、この試合でもそれが発揮できるのは当然ですが。これでレギュラーを取れないのは、やはりスクラムが強くないんだろうか……頑張れ。

 大橋と大石で組んだCTBコンビはよく頑張ってました。二人ともよくタックルに行ってましたし。大橋ははしっこさと人に対する強さを発揮して、タックルを受けながらのトライを決めましたし、大石はポジショニングがよく、ちょうどいて欲しい場所にいてのトライがありました。トップリーグでも途中でWTBに入ってホラのキックパスを受けてトライとかしてましたから、判断がいいんでしょうねえ。とはいえATQやチームのレギュラーという点から考えると、ともにさらなるレベルアップが望まれるところです。

 No8の豊田自動織機のマナセ・フォラウ(帰化してフォラウ愛世になったのでは?)も強くていい選手でした。外見も丸刈りで精悍で、ちょっと日本人に近かったですし(^^;

 今日出場していた中の最年少、唯一の十代の関西学院大学の長野(ちょうの)は見たかったんですよ。兵庫の選手ですしね(^^;
 いやあ、噂にたがわず速かった。アップの軽いダッシュの時点で速さが違うのが明らかでしたし。途中からブラインドサイドWTBに入り、トライも決めましたが、足で印象的だったのは何度かあったチェイスのシーンでした。ラインを抜けて独走に入りかけた相手に追いついて止めた、見事な場面もありましたし、ディフェンスの意識もありそうです。将来に期待したい選手です。



 関東代表では先発LOコンビが個人的には印象的でした。高くて強いというのはいいですね。
 でも一番インパクトがあったのは、途中出場のテビタでした。いや、外見だけでなく(^^; 外国人選手ならではの体の強さに速さを兼ね備えたBKで、何度も力強い突進を見せてました。まだ二十歳なのでプレーはかなり荒削りでしたが、将来性ありますねえ。というか、すでにATQに入ってますし。



●ノーサイド
 試合自体は関東代表が終始リードし、関西代表が7点差に追いすがったと思ったらまたトライを取られるという展開が最後まで続きました。後半は交互に取り合ってたともいえますかね。ともあれ、試合終了後、両チームともバックスタンドに挨拶に行き、その後メインスタンドにも挨拶に来たのですが、その時に両チームが入り混じって並んでました。本当にノーサイドという感じでよかったです。



●おまけ
・ この試合で掲げられていた旗は、日本協会・関西協会・関東協会のものでした。

・ 関西代表の3番でスタメン出場していたのはヤマハの伊藤雄大選手ですが、やはり花園は関西のスタジアムだけあって、スコアボードの「伊藤」を見て、「まさか剛臣出てるの?」と話していた人が実に多かったです。体格もポジションも違うし、そもそも神戸の伊藤剛臣はATQって年齢でも立場でもないのに。存在感のありすぎる選手と同姓ってのも大変ですね(^^;
・ 試合後のクールダウンを見ていると、金武は左足首をやってました。平島も右前の肋骨、肝臓の辺りを押さえてましたが大丈夫かな。公式戦までは間がありますが、しっかり鍛えこむ時期でもありますし、大したことがなければいいんですが。
・クールダウンでインゴールにいた何人かで記念撮影してました。このメンバー、このジャージというのは確かにある意味レアものですしねえ(^^;



第45回日本選手権大会準決勝
トヨタ自動車ヴェルブリッツ 24-25 三洋電機ワイルドナイツ

三洋電機
ワイルドナイツ
前半 2 0 0 0 10 25
後半 2 1 1 0 15
    PG DG 合計
トヨタ自動車
ヴェルブリッツ
前半 1 1 1 0 10 24
後半 2 2 0 0 14

Kick Off 14:00
観衆 5,870
レフリー 平林泰三



●今日のスタンド

 三地域対抗の後半戦くらいから人が増えてきました。予想通りというか、トヨタの応援の方が多かったです。旗を無料配布してましたし、ファンクラブ限定か、緑色のマフラーも大量に配ってましたから、スタンドが緑に染まっていい感じでした。
 僕の座っていたメインスタンドの北側は分類的にはトヨタサイドでしたが、結構両チームのファンが混じってました。試合展開が競ったせいもあるのか、お互い変に意識することもなく、素直に応援できてたように感じたので、なかなか居心地が良かったです。


●試合について
 トヨタと三洋はともにトップリーグでは神戸製鋼に次いで好きなチームなので、どちらにも肩入れできず、かといってどうでもいい訳でもなく、なかなか複雑な気分で見てました(^^;
 試合は期待に違わず好試合でした。



 結果はほぼ互角でしたが、正直なところ、見ていて感じた強さは三洋が上でした。なんというか、経験とか気迫とか、そういう目に見えない滲み出してくる部分において、なんというかそういう雰囲気がありました。

 とはいえ、前半はトヨタが押し気味で進めてたんですよねえ。何度もゴール前に攻め込んだんですが、三洋の固い守りに阻まれ続けたんですよねえ。改めて三洋のディフェンスの強さを感じました。なんかマイクロソフトカップ準決勝のトヨタ-サントリー戦を思い出してしまいました。

 でも、後半30分のトヨタのモールはグラウンディングしたように見えたけどなあ。平林レフリーは反対側にいて見れてませんでしたし。やっぱりトップレベルだけでも、早急にビデオレフリーを導入すべきですねえ。費用・設備の問題があるのかもしれませんが、2015年にワールドカップを招致できたら全会場に装備しないといけなくなるわけですし、東西の二大聖地くらいは先行導入してしかるべきでしょう。まあ、そうなると花園にもビジョンを入れないといけなくなるんですが。

 最後はトヨタの猛攻を三洋が自慢の守りでしのぎきっての薄氷の勝利でした。素晴らしい試合を見せてもらい、感謝です。


●選手について(トヨタ)
 SOの正面健司は今日も今ひとつよくなかったような。リーグ戦の途中に怪我してから、なかなか戻りませんねえ。この正面が相手なら、神戸ももうちょっと試合になってたんじゃないかなどと思ってしまいました(^^; トヨタの今季はこれで終わりますが、春からの代表シーズンに生き残れるんでしょうか。全開の正面なら是非見てみたいんですが。

 LOの谷口、いいですねえ。大きくて強くて激しい。若いのでプレー精度はまだまだ向上の余地はありますが、いい選手です。
 途中出場でしたが、遠藤幸佑もさすがの動きでした。強いだけでなく、ジャパンで鍛えた抜いていくステップも何度も見せてましたし。
 CTB岩本健一朗もいい動きをしてました。185cmもあるのにあの動きは凄い。


●選手について(三洋)
 全員が守備の意識が高いというのは分かってましたが、改めて痛感させられました。この守備力がベースにあっての攻撃ですから、そりゃあ強いはずです。やはり日本一を争うには、これくらいは出来なきゃいけないんですね。

 やはり特に目立っていたのはHB団でした。SH田中の球捌きとSOブラウンのゲームコントロールが作り出すテンポのよさは、素人目にも感じられました。
 ただ、今日はちょっとブラウンのキックが不調でしたかね。特にコンバージョンでそれが顕著だったような。


●ノーサイド
 最後は一点差でトヨタの攻めをしのぎきった三洋電機、ノーサイドの瞬間はさすがにほっとした様子でした。苦しい戦いでしたからねえ。そしてトヨタからすれば実に悔しい試合でした。いやあ、いい試合を見せてもらいました。



●おまけ
・ 今日はNHKで中継があった関係か、NHKの旗も掲げられてました。

・ トヨタのマスコット、ライガー君は今日も元気にスタンドを盛り上げてました。お疲れ様。



●臨時停車
 たまにはいいかと思って試合終了早々に帰路につきました。東花園駅に着いたら、急行電車が臨時停車するとアナウンスされてました。いつもはのんびりと帰ってたので知りませんでしたが、それなりの規模の試合の後はいつもしてるんでしょうねえ。布施・鶴橋にしか停車しないとさすがに早かったです。


●次の試合
 まだ新年度の情報を集めているところですが、下手したら5月3日に花園である日本代表対アラビアンガルフの試合まで何もないかもしれません。4月13日に関西ラグビーまつりがあるのは分かってるんですが、高校と大学の試合のみではわざわざ花園まで行くのはちょっと……。


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