2007/2008シーズン
2月



2008/2/11(月・祝) JR西日本鷹取グラウンド(神戸総合グラウンド)
平成19年度兵庫県高等学校ラグビーフットボール新人戦  近畿高等学校ラグビーフットボール大会兵庫県予選


●初の鷹取グラウンド
 鷹取のグラウンドはJRに乗っていても見えますし、存在は以前から認識してましたが、これまでは神戸製鋼と日本代表が優先なこともあり、なかなか行く機会がありませんでした。今の住所からだと一時間もかからない、非常に近くにあるんですけどねえ。

 数年ぶりに降りた鷹取駅は、すっかり様変わりしてました。駅舎も新しくなってましたし、話には聞いてましたが、北側に行くための地下道もきれいで広いものができてました。これは便利だ。左右の壁にぽつぽつと円がデザインされてるのは、蒸気機関車の動輪をイメージしてるんだろうか。

 地下道を抜けた先も、宅地開発が進んでいるようで、きれいで広々とした駅前になってました。

 周辺に店舗は何もありませんが、ベッドタウンとして発展していけばこれから先、増えてくるかな? 今日は寄りませんでしたが、グランドの隣にスーパーマルハチがありました。まあ、スーパーがあればかなりの用事は片付きますしねえ。

 そして今日の目的地、鷹取グラウンドは目の前にありました。


 話には聞いてましたが、広々としてきれいなグラウンドです。芝の状態もいいですし。今日が天気がよくて暖かいこともありますが、これは気持ちよさそう。スタンドがないのは残念ですが、事前情報で知ってましたから問題はありません。……って、スコアボードもないのか。それはさすがにちょっと寂しいかな……。
 ちなみにこのグラウンドは、名前の通りJR西日本の所有で、現在トップウエストリーグA1所属のJR西日本レイラーズの練習地・ホームになっています。グラウンドの北側にはレイラーズのクラブハウスらしき建物もありました。他にもゴールポストやタッチフラッグにもレイラーズのロゴが描かれてました。今年はタイミングが合いませんでしたが、レイラーズのゲームも見たいものです。


準決勝 第一試合
報徳学園 49-7 市立尼崎

市立尼崎 前半 0 0 0 0 0 7
後半 1 1 0 0 7
    PG DG 合計
報徳学園 前半 5 1 0 0 27 49
後半 4 1 0 0 22

Kick Off 13:00


●今日のグラウンド


 出場校の関係者の邪魔にならないところを選び、観戦場所を決めました。タッチラインのすぐ脇で観戦できますので、足の裏の芝が心地いいです。中に入って気づきましたが、このグラウンドの両サイドにはたっぷりの土地が確保されているので、将来的に必要が生じれば、スタンドを増設するのは可能ですね。今日はその余白部分で第二試合を控えた関西学院と甲南がウォーミングアップに余念がありませんでした。


●試合
 兵庫の高校ラグビーを生で見るのは初めてです。テレビで見たのも去年の花園予選決勝だけですし。報徳のジャージ、赤と黒のボーダーが力強くていい感じです。対する市立尼崎も濃紺と黒の組み合わせで、背番号が白抜きというのはなかなか恰好よかったです。

 これまでトップリーグばかり見てきたので、逆に高校生のプレーとの差がよく見えました。基本的な体格や走力、俊敏性なんかは言うまでもないですが、スクラムなんかも高く、トップリーグの試合を見に来た高校生が「さすがにトップリーグのスクラムは低い」と唸っていたのが納得できました。

 試合は序盤、市尼が押し気味に進めていきますが、個々の力ではむしろ勝っている様に感じた報徳の守りも固く、しばらくは揉み合いのような状況が続きました。そして、報徳が先制トライを取った後は、完全に報徳ペースに。市尼も頑張ってタックルに入ってましたが、総合力の差を感じてしまいました。報徳はフォワードで勝負してよし、展開してよし、ブレイクダウンで勝負してよしと、全てにおいて圧倒してました。戦前の評判でも報徳の優位は動かないと言われてましたが、まさにその通りの展開になりました。
 報徳の中で個人的に印象に残ったのは、10番と13番です。10番のパスさばきの柔らかさと、13番の強さが。この二人をはじめとして、報徳のバックスはみんな走力がありました。これは今日は思い通りの試合だったんだろうな。

 市尼の攻めはキックで敵陣に入るところまではいいんですが、そこから先の攻めを報徳の早い出足のディフェンスでことごとく潰されていたので、その先の攻撃プランがいまいち見えませんでした。サイドアタックはことごとくゲインを切る前に潰されてたし。むしろ自陣からでも回していった時のほうがボールを保持できてたように思いましたが、相手ゴールに迫る前に止められてましたし。ボールを持つ回数と動きの際立ちっぷりから、14番で勝負したかったのかなとも思いましたが、いい形で渡せることが少なかったのでよく分かりませんでした。

 大差がつき、このまま完封されてしまうのかと思いかけた終盤、市尼は、なんとかトライを決めました。焼け石に水ではありますが、決して無意味なトライではありません。ラグビーは番狂わせは滅多にありませんが、代わりにこういう「意地のトライ」がしばしば見られるんですよねえ。今日に関しては、その後報徳にさらなるとどめのトライを取られてしまってましたが。


●おまけ
・ パトカー、がグランドの周辺の駐禁の取り締まりにまわってきてました。試合のある時は多いのかなあ。

・ ジャンパーの背中に書いてあったんで気になったんですが、もしかして報徳のニックネームって、レッドライオンズなのかなあ。


甲南 24-12 関西学院

関西学院 前半 1 1 0 0 7 12
後半 1 0 0 0 5
    PG DG 合計
甲南 前半 2 0 0 0 10 24
後半 2 2 0 0 14

Kick Off 14:30


●今日のスタンド

 第二試合なので、第一試合の関係者がいくらか帰ったのか、少し見やすくなったような。気分転換に観戦場所をゴール裏に移動しました。
 甲南の強さは知らないのですが、関西学院は去年は全国選抜大会でベスト8、花園にも出た学校ですから注目してました。
 関学のジャージは報徳と似てると思ってましたが、生で見ると赤黒ではなく、濃いオレンジと濃紺なんですね。甲南のジャージは赤地に白の横帯が一筋でした。


●試合
 この試合も序盤は五分の揉み合いでした。
 15分ほど一進一退の攻防が続いた後、先制トライを奪ったのは甲南でした。5mラインアウトから左右に大きく展開していきました。何次攻撃まで行ったんだろう、何度止められても反対に振って攻め続け、最後には関学ディフェンスに出来たギャップを見逃さず、左隅にトライ。この一連のプレーからも強く感じましたが、甲南は繋ぐ意識が高かった。自陣からでもよく回していきましたし。

 今日はフォワード戦でも甲南が勝つことが多かったです。特にセットプレー。スクラムやモールで押してたのは甲南が多かったです。だからこそバックスにいいボールが供給できて、いい感じに展開できるケースが多かったのかもしれません。

 甲南の攻勢が続く中、前半20分には関学15番が個人技で大きくゲインし、そこから繋いでトライを取り返します。15番は他にも何度もいいプレーがありましたが、ランが鋭かったですね。


 前半終了間際にも甲南がトライを取ったのですが、またしてもゴール前での波状攻撃からでした。今度は密集サイドをしつこく攻めて最後にはそのまま飛び込んだ形でした。明らかに甲南ペースの試合でした。関学も弱くないんでしょうが、甲南の一本芯の通った団結力の強さが勝っていた印象でした。


 7-17と10点リードされていた関学は、後半20分頃に甲南ゴール前に攻め込み、必死のアタックをかけましたが、もう少しでトライという最後の詰めの部分でミスを連発してました。これは取りきれないかなと思って見てましたが、最後には取りました。絶対負けられないという執念ですね。

 ですが、せっかく1トライ差の12-17に詰め寄ったその直後、キックオフから攻め込んだ甲南がモールからトライを取り、再度突き放しました。

 関学は後半の半ばに15番を故障で欠いてから余計きつくなったように見えました。近場をじっくり攻め、相手ディフェンスを十分引き付けてから一気に大外に展開してトライを狙う作戦は分かるんですが、いざ展開する時の速さかランナーの走力が足りないのか、あるいは引き付けが足りないのか、大きく展開しても大体相手のディフェンスが付いてきてました。

 この準決勝に勝った二校は近畿大会に出場できるらしいです。ある意味来週の決勝より今日の方が大事な試合だったんですね。
 それもあってか、勝った甲南の選手・関係者達はノーサイドの笛とともに喜びを爆発させてました。様子から推測するに、関学の方が格上で、長いこと関学に勝ててなかったということもあったのかもしれません。



●おまけ
・ 試合の終盤になるにつれ、近所にいた甲南OBも興奮してきてました。やはり関学に勝つというのはそれだけの価値のあることだったんでしょう。;


 期待した以上に面白かったです。来週はマイクロソフトカップの準決勝が花園であるんですが、神戸製鋼は出ないし、ここの三位決定戦と決勝を見に来るという選択肢もありかなあ。ま、家でトヨタ-サントリー戦を見るか、どっちかですね。



2008/2/3(日) 近鉄花園ラグビー場


●冬の雨の花園
 今日は一日雨の予報でした。真冬の雨は体の芯から冷えるので辛いですが、それでなくてもトップリーグの試合数は少ない上に、今シーズンは今日が最後なので頑張って花園に向かいました。もちろん防寒対策はほぼ万全にして。
 東花園駅を出たところ、雨はほとんど降ってませんでした。おや、これはありがたい。今日一日、せめてこれくらいでもって欲しいけど無理なんだろうなあ。

 向かう途中のJAのシャッターにもラガー少年が。さすがラグビーの町、東大阪。

 花園に向かう直線道路に入ると、ここに着くまでの遠さも忘れ、ワクワクしてくるのは毎回のことです。

 花園ラグビー場第一グランド(メインスタジアム)。全体的に見ると、単純な長方形でもないんですよねえ。
 とりあえずここまでは、意識しないと分からないレベルの雨しか降ってませんでした。
 そして、花園に到着した時点で時刻は10時。神戸製鋼の試合は14時から、その前のクボタ×九州電力の試合は12時から。神戸製鋼のブースが開くのは11時半から。なのにこんなに早く来たのは勘違いではありません。すぐ横の第三グランドで大阪の高校ラグビーが行われることを知ったので、折角だからそちらも見てみようかと。


第59回近畿高等学校ラグビーフットボール大会大阪府予選 15人制の部 Aブロック決勝
近鉄花園ラグビー場第三グラウンド

東海大仰星高校 43-0 同志社香里高校

同志社香里高校 前半 0 0 0 0 0 0
後半 0 0 0 0 0
    PG DG 合計
東海大仰星高校 前半 4 2 0 0 24 43
後半 3 2 0 0 19

Kick Off 10:00


●今日のグランド
 第三グランドは周囲に陸上トラックがあるのがナンですが、使用頻度が違うのか、芝もきれいで気持ちよさそうでした。観戦席には両校の関係者が座って熱心に応援してました。雨の中、お疲れ様です。



●試合
 関係者ではないのでゴール裏で立ったまま観戦したのですが、微妙に雨がちらつくので、傘を出したりたたんだりしながら見てました。テレビや雑誌で東海大仰星のジャージは知ってましたが、同志社香里は初めて見ました。同志社大学と同じなんですね。

 寒い上に雨の中の試合だったためか、プレー中の選手の体からは湯気が立ち上ってました。走らず人が密集するスクラムの時など、非常に目立ってました。冬場に汗が湯気になるのは実感として知ってましたが、集団になるとこんなになるんですね。

 試合は仰星が圧倒してました。ブレイクダウンの強さ、展開力等、強かったです。ディフェンスも厳しかったですし。試合時間の大半を香里陣内で過ごしてました。対する香里は、仰星に比べるとボール、得点に対する執着心が少ないように感じてしまいました。まあ、大差をつけられてしまってはモチベーションも下がろうと言うものですが。
 雨の天気でしたが、本降りとまではいってなかったためか、両チームともキックに頼るより、よく回していってました。

 印象に残った選手は、仰星の9番と12番です。9番の選手は前半、パスダミーで敵の間を抜いてから独走トライを決めたんですが、ダミーを出すタイミングと抜けていく際のステップのキレが見事でした。12番の選手のスピードと強さも印象に残りました。


●おまけ
・ 天気予報では今日の未明は雨か雪か、って感じだったんですが、生駒山の上の方では雪だったようですね。うっすらと白く化粧してました。

・試合終了直後、その場で表彰式が始まりました。確かに全試合終わるのを待っていては、時間がかなり無駄になりますもんね。


Bブロック決勝
大阪朝鮮高級学校 - 近畿大学附属高校
Kick Off 11:15


 赤白ボーダーが大阪朝高、黒にピンクラインが近大附ですね。始まってすぐに入場の始まったメインスタジアムへ、主目的のトップリーグ観戦に向かったので詳細は分かりません(^^;

 ちなみにこのグランドではこの後、Cブロック決勝 大阪工大高校(この名前も今年度限り)-浪速高校、Dブロック決勝 大阪桐蔭-啓光学園が行われました。


ジャパンラグビートップリーグ2007-2008 第13節 近鉄花園ラグビー場


●改めて花園第一グランド(メイン)
 11時半に近づき、そろそろかと第一グランドに向かいましたが、いつの間にやらブースも立ち並び、賑わってきてました。いつもは神戸製鋼のブースがグランドのすぐ横に立ってるんですが、今日は白いクボタのブースが立ってました。顔なじみのタマノイ酢の兄ちゃんに尋ねると、先を越されたんだとか。早い者勝ちだったのか(^^;

 今日は神戸製鋼のブースに行く前に、IBMと九電のブースに寄りました。結構グッズ展開してるなあ。IBMの試合を見るのは初めてなのでなんとも言えませんが、九電は西京極の試合で気持ちの入ったいいラグビーを見せてもらったので、好感を持ってます。なので、せっかくだからと安かったノートを買いました。

 クボタのブースの前は応援団か動員か、クボタファンでかなり混雑していたので、行きませんでした。
 そして神戸製鋼ブースに向かおうとしていると、スーツ姿で外に立っていたクボタの選手と目が合いました。手を出してきてくれたので握手しました。トップリーグの握手プロジェクトです。

 緑のシリコンバンドを貰ったので、これで三色揃いました。このブラック・オレンジ・グリーンは、トップリーグの理念を表している色だそうです。それぞれブラック「ラグビーの持つ力強さ」オレンジ「大地」グリーン「芝」だとか。それはそうと、このシリコンバンド、装身具が徹底的に苦手な僕が今後身につけることはあるんだろうか(^^;

 神戸製鋼のブースでは、まず例によってイヤーブックのサポーターズキャップキャンペーンをば。今年は今日で9試合でした。行ってないのは新潟のクボタ戦、花園のコーラ戦、味の素の東芝戦、ヤマハのヤマハ戦です。……コーラとヤマハは行きたかったなあ……。ともあれ、9キャップ到達で1000円の金券を貰いました。

 次いで、ケータイポイントの追加。ここで、今年度貯めたポイントは今日交換しないと無駄になるとレッド君こと今村順一サポートスタッフに言われ、慌てて200円の金券と交換。
 ついでに300ポイントで貰えていたポスターのデザインについて尋ねました。シーズン終了後の公式HPのトップにも使われてますが、選手の全員集合の後ろに製鋼所の写真が、そして足元には草原がある合成写真です。バックの製鋼所は神戸製鋼だから分かるんですが、足元の草原が意味が分からなかったんですよ。なんでも、スーパー14のどこかのチームのポスターがそうなっていて、格好よかったのでアイデアを頂いたんだとか。なるほど。……正直、ちょっと違和感ありましたが(^^;

 今日貰った1200円分の金券の使用期限は今日です(^^; 何か買わねばと思ってグッズ販売コーナーに足を向けました。一枚500円のタオルマフラーを数枚買って、知人に宣伝しようかなどと考えていたんですが、行ってみると売り切れてました。安いのはあらかた売り切れちゃってるなあ……。売っていたのはプロモデルレプリカジャージ(18000)、マフラー(2000)、ニットキャップ(2000)、ネックストラップ(700)あたり。マフラーとキャップとストラップはもう持ってるからなあ……。レプリカジャージを買えるような余裕はないし。
 ついには困って、売り場にいた新井慶史選手に
「1200円の金券で、何か買えるものありますかね?」
 と尋ねてしまいました(^^; そこで勧められたのがゴルフマーカー。100円追加すれば買えるとか。ゴルフはしないんだけどなあ。でも、金券が無駄になるよりはいいか。使わなくても飾ってるだけでも綺麗だし。ということで買いました(^^;



クボタスピアーズ 27-20 九州電力キューデンヴォルテクス

九州電力
キューデンヴォルテクス
前半 2 1 0 0 12 20
後半 1 0 1 0 8
    PG DG 合計
クボタ
スピアーズ
前半 1 0 0 0 5 27
後半 4 1 0 0 22

Kick Off 12:00
観衆 3,378
レフリー 藤実

トライ等
 九州電力 前半 11分 吉永将宏(齊藤玄樹×)、29分 今村圭吾(齊藤玄樹○)
 クボタ 前半 18分 根岸康弘(伊藤宏明×)
 九州電力 後半 2分 吉永将宏(齊藤玄樹×)、14分 PG齊藤玄樹○
 クボタ 後半 18分 茂木隼人(伊藤宏明×)、21分 荻原要(伊藤宏明)、32分 伊藤宏明(伊藤宏明○)、34分 岩上篤史(伊藤宏明×)


●今日のスタンド

 この試合は初めて、ゴール裏で観戦しました。あいにくの天気でしたが、両チームとも入替戦回避がかかってますので、熱の入った動員と応援でした。正直、3000人を越えるとは思ってませんでした。住み分けというか、基本的にクボタを応援する人はメインスタンド、九電を応援する人はバックスタンドにいましたね。動員数は大阪に総本社のあるクボタが圧倒してましたが。クボタ、こんなに人気、というか動員力あったのか。


●試合前
 スタンドに向かっていたら、クボタの社員さんが、雨除けとクボタ応援用に緑の簡易ビニールポンチョを配ってました。神戸製鋼モードで赤かった僕はスルーされましたが(^^;、これは上手いですね。実際、スタンドが青緑に染まってましたし。
 第二試合までの間、適当に空いたところで観戦しようと思っていたら、メインスタンドのホーム側で屋根のあるところはほとんどクボタの応援で埋まってました。クボタには何の思い入れもないし、色も違って場違いなのでメインスタンドは避けよう。でも、雨は降ってるし……ということで、ゴール裏に移動して観戦することにしました。空いててのんびりできました。ほぼグランドレベルなので迫力があっていいけど、反対側のゴール付近でのプレーはよく分かりませんでした。

 スタンドを見渡してみると、一方のゴール裏にクボタスピアーズのフラッグが掲げられてました。ハーフタイムにもしてましたが、気合入ってるなあ。


●前半戦
 微妙な雨という天候だったので、普段のスタイルは分かりませんが、今日の両チームを見ている限り、キックのクボタ、突進の九電という感じでした。どちらも、ここぞの場面では積極果敢に展開を試みてました。第二試合のIBMの結果次第とはいえ、ともに入替戦回避のかかった試合だけあって、皆必死でした。少々ミスが多くても、必死なチーム同士の戦いは見ていて熱くなります。どちらかといえば九電のボール支配率が高かったように感じましたが、展開していって、ここで繋がればトライか、というところでノッコンするのが目立ちました。クボタのディフェンスは良かったので、そのプレッシャーがあったのかもしれませんが。

 それにしても、社員の動員がかかっているというのもあったんでしょうが、両チームとも凄い声援でした。特にクボタの応援の声量には驚きました。まあ、ノリがラグビーというより野球っぽかったのは愛嬌ですかね(^^; 普段神戸を見慣れている身にはインパクトがありました。逆に、神戸製鋼は社員があまり来ないってのは本当なんだなあとこんなところで感じたり(^^;



 前半の最後、ホーンが鳴った後のロスタイムになって、クボタも徹底してパスを繋いできました。5-12とリードされてて、プレーが切れたら前半終了ですからこれしかなかったんでしょう。とはいえ、一体何次攻撃までいったんだろうという繋ぎっぷりは、トライには至りませんでしたが、見ごたえがありました。

 前半から、後半の序盤までは九電がゲームを支配してました。突進と展開を巧みに織り交ぜてクボタ陣内でプレーし、一瞬の隙を衝いてトライというシーンが何度も見られました。それが、20-5と15点差をつけてから、おかしくなってきました。展開の鋭さが薄れ、突進へのサポートが遅くなり、クボタのマクイナリ投入などにともなうプレッシャーの増加に、明らかに押され始めました。


 後の時間は明らかにクボタペースでした。クボタは最後まで諦めず、実直に戦い続けたのが決め手になったのかな。逆に九電は、少しリードが広がったところで緩んでしまったのかもしれません。インターバルを挟まずに試合中に修正するのは至難の業なんですよねえ。上位に進出するためにはできなければいけませんが。それにしても、試合の流れって怖い。
 最終的に4連続トライを決めてクボタが逆転した時のメインスタンドの盛り上がりは凄かったです。



●ノーサイド
 この勝利で来期のトップリーグ残留を決めたクボタは、選手も実に嬉しそうでした。スタンドに挨拶に来た時に、FOR ALLのシリコンバンドを大量に撒いてました。今日で終わりだもんなあ。

 一方、敗れた九電も、7点差での敗戦なので勝ち点1を加えて21とし、この時点で勝ち点19のIBMの結果を待つことになりました。


神戸製鋼コベルコスティーラーズ 28-26 日本IBMビッグブルー

日本IBM
ビッグブルー
前半 1 0 2 0 11 26
後半 2 1 1 0 15
    PG DG 合計
神戸製鋼
コベルコスティーラーズ
前半 3 3 0 0 21 28
後半 1 1 0 0 7

Kick Off 14:02
観衆 5,009
レフリー 麻生彰久

トライ等
 IBM 前半 10分 道廣祐太(高忠伸×)、17分 PG高忠伸○、29分 PG高忠伸○
 神戸製鋼 前半 5分 今村雄太(ピエーレ・ホラ○)、20分 ジョシュ・ブラッキー(ピエーレ・ホラ○)、32分 村上正幸(ピエーレ・ホラ○)
 IBM 後半 6分 PG高忠伸○、12分 勝俣啓太(高忠伸○)、38分 ロトゥ・フィリピーネ(高忠伸×)
 神戸製鋼 後半 22分 高倉和起(山本大介○)

出場選手
1平島 久照 2村上 正幸 3清水 秀司 4小泉 和也 5吉田 永昊 6林 慶鎬 7ジョシュ・ブラッキー 8伊藤 剛臣
9後藤 翔太 10ピエーレ・ホラ 11大橋 由和 12高倉 和起 13今村 雄太 14小笠原 仁 15八ツ橋 修身
リザーブ
16南條 健太 17金武 貴之 18鈴木 敬弘 19ロン・クリブ 20今村 友基 21山本 大介 22大石 嶺
太字=主将


●今日のスタンド

 雨でしたからねえ。しかも昨日東芝が勝った為に神戸製鋼のプレーオフ進出の目が消えていたこともあり、観客数は寂しいものでした。それでも神戸での試合ならそれなりには入ってたんでしょうが。しかも、さすがは動員というべきか、第一試合の観客の多くは試合が終わると潮が引くように帰っていきましたし。公式発表では一日トータルの入場者数をカウントしているので5千人越えですが、そんなにはいなかったんじゃないかなあ。対戦相手のIBMは関東のチームだってのもありますし、仕方ないとは思いますが。


●試合前
 第一試合の前半の途中、後藤翔太主将が一人でスコアボード裏の練習グランドに出て行き、黙々とパスの練習をしていました。いつ見ても練習してます。ポーズでもなんでもなく、素で熱い人です。頭が下がります。

 第一試合の後半になると、他の選手も出てきていつものようにウォーミングアップが始まりました。

 第一試合が終わったので、メインスタンドに観戦場所を変えます。今日は雨なので、皆スタンドの屋根の下に集まっていて、前方が比較的空いてました。そこで、このチャンスを逃すまいと去年のファンクラブ入会プレゼントの赤いポンチョを着込み、花園では初の最前列に陣取りました。体はポンチョでしのげますが、バッグが濡れるなあ……。でもここの最前列は通路を挟んだりしないので、安心して見る事が出来ました。


●前半戦

 キックオフ!

 今日のスタメンを見て正直驚いたのが、今村雄太の出場でした。前節で怪我してましたから。彼の力を考えると、プレーオフ進出がかかっているなら当然出たでしょうが、その目も消え、かといって下位に落ちる心配もなく、言葉は悪いですが完全な消化試合でしたからねえ。それでも開始早々、スピードに乗ったランでトライを決めたのはさすがでした。シーズン中盤にマークがきつくなったのか、しばらくトライが止まりましたが、ここに来て二試合連続トライ。また一つレベルを上げましたかね。
 それにしても、シーズン序盤と比べて、本当によくタックルに行くようになったなあ。
 
 SOホラが今日もよく機能してました。ホラのタクトでバックス陣が自在に走り回ってるような印象でした。その代わりと言ってはなんですが、相変わらずフォワード戦は頼りないというか……。ロイシーを欠いてから余計その印象が強まりました。今日もスクラムやラインアウトなどのセットプレーは基本的に押されてました。モールは頑張ってましたが。ジョシュ・ブラッキー、林慶鎬は言うに及ばず、吉田永昊、小泉数やなどの動きはいいんですよねえ。フッカーの村上正幸も含めて走れる選手は多いし、これでセットプレーが強くなればなあ……。
 そのブラッキー、今日もキックチャージからのトライを決めてました。凄いや。

 ここのところターンオーバーされる場面が多かったですが、今日もありました。中でも一度、ボールを取られた後、大きく後ろに蹴り返され、かなり危ない場面がありました。チェイスはしていますが、IBMの選手が前にいるし、加速度を見るととても抜き返せそうにない。これはトライされるかなと見ていると、突然斜め後ろから赤い人影が全員を抜き去ってボールを押さえました。おがじん(小笠原仁)です。反対のサイドにいたはずだし、明らかにスタートは遅れていたのに。スペースがないと厳しいきらいはありますが、やっぱり彼の足は凄いです。

 それにしてもIBMはラフプレーが多いなあ。なかでもNO8のフィリピーネはボールを持った時の強さは凄いですが、そうでない時の荒っぽさは本当に勘弁して欲しいです。首の辺りを掴まれて投げ捨てられたなんてシーンも何度かありましたし。シンビンこそ出ませんでしたが、ラグビーでこんなに何度もつかみ合いになりかけた試合は初めて見ました。


●今日のプレーについて

 IBMは今日のこの試合で最低でも勝ち点2を取らないと入替戦が確定するので必死でした。2点とって勝ち点を21にすれば九州電力に並びますし、そうなれば得失点差でIBMが上位に来て、入替戦を回避できます。先のラフプレーもそういう気持ちの発露だったのかもしれません。試合でも、劣勢ながらも食らいつき、チャンスがあれば逃さずPGを狙い、得点を詰めてきました。
 対する神戸製鋼は、後藤翔太主将をはじめ、何人かの例外はあるものの、やはり普段に比べ、明らかにゲームに対して入り込めてない選手が多かったです。プレーの一つ一つの精度、気迫に欠け、単純なミスが多かった。確かに昨日、自分に関係のないところで先の道を断たれたばかりという、切り替えの非常に難しい状態でしたから、仕方のない面はありますが。この状況で、ただ有終の美を飾るためだけに、チームと自分のプライドのためだけに、最高のテンションで試合をしろといっても無理ですし。それでも、もうちょっとしゃきっとして欲しかったというのはあります。

 今日はかなり寒かったので、手がかじかんで仕方なかったのか、後藤翔太主将、途中でバケツにお湯を入れてくるように頼んでました。プレーが途切れた時など、そこで指先を暖めてました。特にSHには指先の感覚は大事なんでしょうねえ。

 途中でホラに代わってSOに入った大石嶺は、今日もキックチャージされてました。他の選手はそう簡単にはされないのに、なんでだろう。ポジション取りかタイミングか、何か重大な欠点があるんでしょうか。プレースキックは山本大介がしてたので分かりませんが、キック以外のプレーは悪くないと思うんですがねえ。

 基本的にIBMに対しては、こっちがパスを繋いで回して崩していけば抜ける場面が結構あったように思います。後半の高倉のトライも、大外で3対1の有利を作り出し、相手が大外に振るのを警戒した隙を見逃さずに抜いたプレーでしたし。


●故障者続出

 不幸にも、今日は試合終盤に故障者が続出しました。
 後半33分には吉田永昊が、右ひざを故障して退場しました。長い間立てずにいましたし、立ってからもスタッフの肩を借りて、びっこをひきながらゆっくりとしか歩けてませんでした。痛そう……。ノーサイドの時には治療を終えて戻ってきてましたが、右膝を厳重に包帯してました。これは完治には少しかかるかもしれません。

 永昊も心配ですが、今日一番ドキリとしたのが、後半36分に交代したジョシュ・ブラッキーでした。密集プレーが止まったと思ったら、ふらふらとよろめき出たブラッキーがそのままばたりと倒れましたから。しかも結構やばい倒れ方で。現場の人もそう感じたのでしょう、すぐにいつになく大勢集まってきて、下手に動かせないのでしばらくその場で手当てをしてました。最後は自力で立ち上がって歩いて出て行ったので、とりあえずはほっとしましたが、大丈夫だったんでしょうか。脳震盪かなと近くの観客は言ってましたが。

 今日のフォワードのリザーブは南條健太、金武 貴之、鈴木敬弘、ロン・クリブと4人入ってました。南條と金武は第1列、鈴木とクリブは第3列の選手です。もしもの時は林を本職の第2列に入れて対応するつもりだったのでしょう。それが、クリブと鈴木を入れた後で永昊、ブラッキーともう代わりがいない状況下でさらに二人退場してしまいましたから……。苦肉の策として南條、金武を入れ、気がつけば15人の中にフロントスリーの選手が5人いるという異常事態になってました。スクラムを考えたら第一列はスタメンのままだったでしょうが、南條と金武はどこのポジションに入ってたんだろう。ラインアウトを無視すればまだましっぽいロックだったのかな……?
 さらに悪いことに、そんな状態の中、後半37分にはクリブがシンビンで退場になってしまい、フォワードの人数自体が相手より一人少ない事態になってしまいました。元々劣勢だったのに、それでなくても専門じゃないポジションに入ってる選手が二人もいたのに。残り時間が少ないとはいえ、まさに緊急事態です。



●決着
 終盤になって神戸製鋼を襲ったアクシデントとトラブルはもちろん、IBMにとっては最後の大きなチャンスでした。それでなくてもフォワード戦では有利に立っていたのに、さらに相手が急激に弱体化したんですから。入替戦回避に執念を燃やすIBMはこの機を逃さず、後半39分、トライを決めました。
 この時点で二点差。続くコンバージョンを決めれば同点です。もう時間がないので、その後勝ち越すところまではいきませんが、引き分ければIBMは入替戦回避決定です。全てはキッカーの高に託されました。が……無常にもボールはポールの外を落ちていきました。同点ならず。
 その後、残りのわずかな時間に全てをかけたIBMでしたが、神戸製鋼もいくら気が抜け、選手が抜けているとはいえ、順位が下のチームに負けてシーズンを終わるわけにはいきません。残る時間を膠着状態のまま終え、ノーサイドの笛が鳴り響きました。その瞬間、IBMには崩れ落ちて天を仰ぐ選手もいました。
 神戸のモチベーションが試合前から最低で、最終盤には選手の数、構成までおかしくなっていたこともあり、今日はIBMにすれば千載一遇のチャンスでしたからねえ。要所でPGで確実に得点してスコア的に勝負に持ち込むという作戦も見事にはまってましたし。正直、普通なら、ここまでの接戦はなかったと思います。だからこそ、無念だったでしょう。


●ノーサイド
 相手が最後のコンバージョンを外したおかげとはいえ、最終戦をなんとか白星で飾ることが出来ました。

 晴れてればいれば、いつもはゴール裏でクールダウンをするのですが、この天気ではとてもできません。選手は早々に引き上げていきました。サインをねだる人もほとんどいませんでしたしねえ。何はともあれ、お疲れ様でした。今年もプレーオフに進めませんでしたが、主力に故障者が続出したのに昨シーズンの成績を上回ったんですからよしとすべきでしょう。



●また来年
 この一年で、花園にもすっかり慣れました。家からの遠さには慣れませんが(^^;
 ともあれ、神戸製鋼の応援で次にここを訪れるのは来年度になります。他の試合で来るかもしれませんが、とりあえず。しばしのお別れです。今年はありがとう。


 帰ろうかとメインスタンド裏の通路を歩いていると、スーツ姿の神戸製鋼の選手が何人もいました。シーズン最後だから、アフターマッチファンクションに皆で参加するところだったのでしょうか。大畑大介が知り合いのファンと楽しそうに話してました。それを横目に出口に向かっていると、新井慶史選手もいました。まだ公式戦に出たこともないのに、すっかり顔を覚えてしまいましたよ。と、その新井選手、僕と目が合った瞬間、向こうからぺこりと会釈してきました。うわあぁぁ、完璧に顔覚えられてるよ(^^; この選手との距離の近さはラグビーならではですよね。嬉しいけど恥ずかしいや(^^;
 新井選手には頑張って欲しいです。社会人ラグビーの日本人選手はほとんど大卒だから(今の神戸製鋼の現役日本人選手で高卒は新井一人)、それでなくても高卒選手は特に応援したくなるんですが、加えてこう馴染みができてしまっては、もう応援するしかないじゃないですか(^^;


●おまけ
・ こないだまではジョエル・ウィルソンがウォーターボーイをしてましたが、今日はロイシー(ロイス・ウィリス)がしてました。196cm、119kg。日本一大きいウォーターボーイだろうなあ(^^;
・ さすがはラグビー、さすがは花園。こんな天気の観戦でも、スタンドに傘を差した人は少なかったです。かつて野球観戦で、傘のせいで見えない経験を何度もしているだけに、この文化は嬉しいです。……春の鶴見緑地では傘だらけだった気もしますが(^^;
・ これで神戸製鋼の今年のシーズンは終わってしまいましたが、この後何か試合はないものかと見てみたら……やっぱりマイクロソフトカップと日本選手権の準決勝しかないんですね……。どうしようかなあ。
・ 試合前と試合の後、今日もタマノイ酢ブースに寄って選手カードをゲットしてきました。

 今年最後ということで3回して、11枚入手してきました。今村友基、辻井将孝、北川有広、ロン・クリブ、八ツ橋修身、小西賢一、金武貴之、山本大介、田中渓介、末藤雅宣、新井慶史。知り合いと会ったので、被っていた今村友基を平島久照と交換してもらいました(^^)/ まさにトレーディングカード(^^; これで29枚、28種類。全48種類だそうですから、枚数を考えたらよく集まった方でしょう。


●次の試合
未定

 初の一年を通して体験したラグビーシーズンでしたが、実に楽しかったです。来年度はもっと楽しくなるといいなあ。


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