2007/2008シーズン
7月

2007/7/7(土)
コベルコラグビーフェスティバル2007


●灘浜へ
 ラグビー好きになったのが今年の頭なので、もちろん神戸製鋼のコベルコラグビーフェスティバルに参加するのは初めてです。
 微妙すぎる天気予報でしたが、なんとか雨が降らなかったので、無事に開催されました。7月の上旬という、雨が降って当然の時期の開催ですが、よくもったものだと思います。毎年こんな調子らしいので、神戸製鋼には強烈な晴れ男が集団でいるんでしょうね(^^;


 阪神の御影駅に着きました。会場の灘浜グランドまでは歩いても行ける距離ですが、今日は無料送迎バスが運行しているので、せっかくだから乗って行くことにしました。御影駅前には車を止めるスペースなどないので、少し歩いて臨時のバス停に移動。ひと目でチーム関係者だと分かる赤いスティーラーズのTシャツを着たスタッフに挨拶し、停車していたマイクロバスに乗り込みます。

 フェスティバル自体は午前9時半から開催しているんですが、今はもう12時半。NECとの練習試合は15時からと、どちらからも遠いのでそんなに混んでないだろうと思っていたんですが、30分に一本ペースで運行しているバスは、発車時には補助席まで全て使われた満車状態でした。この時間でもこれって、凄い人気なんだな。
 ともあれ、定員いっぱいまで人を乗せたバスは、一路灘浜グランドへと走り出しました。



●到着
 ものの10分ほどでバスは会場の神戸製鋼灘浜グランドに到着しました。やっぱり広いなあ。

 ウェルカムゲートをくぐったところで、紙製の団扇(片面が神鋼のCM、片面がスティーラーズの今年のTL日程表)と今日の案内をもらいました。案内は予想してたけど、団扇はこの蒸し暑さからして、ありがたい。

 入ってすぐ、左手には今日のラグビーフェスティバルには無関係なテニスコートが。普通にテニスしに来た人は、やりにくかったろうな……。
 右手には、屋台のテントがずらりと並んでいます。大畑大介選手の実家の大畑パンも出店してました。


 とりあえず、オフィシャルグッズの販売コーナーに向かいました。神鋼を初観戦したのが去年の最終戦だったこともあり、グッズ関係は何も持ってないんですよねえ。今日から2007年度グッズを販売開始するとのことで、なかなか盛況でした。
 とりあえずメッシュの帽子とTシャツ、ネックストラップを購入。ちなみにこのTシャツ、神鋼のスタッフや選手が着ていたのと全く同じでした。値段も安めに設定されてましたし、これは嬉しい。スポーツタオルやビーチサンダルなんてのもありましたが、さすがにそこまでは(^^;
 また、店の中では金武選手と今村雄太選手がごく普通に売り子をしていました。こういう一つ一つから、選手とファンとの距離の近さが感じられていい感じです。




●フェスティバル
 それにしても、想像以上の人出です。タッチフットボール大会なども開催しているので、その参加者がいるとはいえ、これは……。神戸製鋼ラグビー部の人気と浸透ぶりについては、僕の認識が甘かったようです。そして、これだけ人がいるのに、雰囲気がいいです。ガツガツしていないとでも言うか。そして、当たり前のようにそこここに選手がいて、柵も垣根もなく、ファンと同じ場所で交流しています。こんな世界があったんですねえ。
 会場はこんな感じでした。

 神戸製鋼の昔からの活動を記した写真展示コーナーなどを眺めながらぶらぶらしていると、特設ステージ前でラインアウト体験のイベントが始まりました。190センチ級の選手にリフトしてもらう経験なんて普通はありませんから、参加した子供達は見たこともない景色が見れたことでしょう。よかったね。


 ここで、今日ラグビー初観戦になる野球の観戦仲間が到着したと連絡があったので、合流。本当、携帯電話が普及して、こういう行動は便利になりました。
 とりあえず屋台村に歩いていき、ぶらぶらと。
 タマノイ酢のテントの前では、浴衣姿のスタッフが、七夕の短冊を書きませんかと声をかけていました。選手も何人か短冊を書いていましたが、「日本一!」を目標に掲げている人が多かったです。というか、「日本一! 今村」って、どの今村選手なんですか(^^;(今年の神戸製鋼には、今村友基選手と今村雄太選手の二人がいます) まあ、すぐ近くのオフィシャルグッズショップにいた、雄太選手のほうかな?

 せっかくだから何か食べるかと思って見て回っていると、カレーのココイチが出店しているのを見つけました。ポークカレーが300円って! 普通に店で食べても400円なのに。しかも、ありえないくらいボリュームあったし。びっくりしました。

 ちなみにやきそばを売っていた屋台は「OBショップ」とのことだったので、往年の選手達が焼いていたんでしょう。社会人チームなので、引退しても普通に神戸製鋼で働き続けている人も多いでしょうからね。残念ながら、今の僕には誰が誰やらさっぱり分かりませんが。


 14時になったので、特設ステージで行われるトークショーを見にそちらに移動。司会はラグビージャーナリストの村上晃一さん、出演するのはジャパンスコッドに選ばれている、大畑・松原・今村雄太の三選手です。
 大畑選手はかなり調子もいいようで、喋りも普通にいい調子でした(^^;
 松原選手は日本代表の厳しい練習のおかげで、春からこっち、体重が10キロ減ったそうです。フォワードであまり減ったらまずいんではと突っ込まれてました(^^;
 逆に今村雄太選手は体重が増えたそうです。ウエイトトレーニングの効果が現れたとか言ってましたが、バックスとはいえ凄いなあ。大畑選手は、まだまだ伸び盛りの若い選手(今村雄太選手は大卒ルーキー)とここまでの選手(松原選手は28歳)の違いだと冗談を言ってましたが(^^;
 それにしても今村雄太選手、ルーキーだけあって田舎の朴訥な青年そのものの受け答えで、声も小さく、口数も少なく、インタビュアーの村上さんも困ってました(^^; まあ、そのたびに大畑選手のフォローが入っていましたが。さすが大畑(^^;



神戸製鋼コベルコスティーラーズ 36-31 NECグリーンロケッツ (灘浜グラウンド)

NEC
グリーンロケッツ
前半 2 1 0 0 12 31
後半 3 2 0 0 19
    PG DG 合計
神戸製鋼
コベルコスティーラーズ
前半 4 2 0 0 24 36
後半 2 1 0 0 12

Kick Off 15:00
観衆 不明
レフリー 



●本日のメインイベント
 色々楽しみはありますが、今日の最大のイベントはこの練習試合です。昨年のトップリーグでは、神戸製鋼が6位、NECが7位と実力伯仲の相手です。お互いけが人は当然、ジャパンの選手や外国人の一部は入れておらず、最強メンバーではありませんが、春シーズンの締めくくりでもあり、ぜひとも勝っておきたい試合です。

 15時に試合開始予定なので、14時半頃からフィールドは試合用に区切られ、選手が練習を始めました。しかし、いつも思うのですが、ラグビーの試合前練習って、野球やサッカーのそれと違って「軽く」ないように見えて仕方ありません。しっかり体を温めておかないと怪我するからなのかな?

 試合前には、お馴染みのアメフトチーム「神戸ファイニーズ」のチアリーディングチームがダンスを披露してくれました。なんかいつも見るんですが、アメフトの年間の試合数を考えると、こうやって出張チアリーディングする回数のほうが多いんじゃないだろうか(^^;


 ちなみに、試合の様子をカメラに収めるべく一人のスタッフが、スタンドの屋根の上に陣取ってました(^^;

 


●前半戦
 「超攻撃的」のフレーズの通り、どんどん動いて走って、パスしてラインで押し上げて、キックからパスやチェイスを試みて、どんどん勝負していく。確かにアグレッシブな姿勢は随所に見られました。大味な試合は面白くありませんが、そうではなくどんどん攻めていくというのは、見ていて面白いです。


 やはり7月にラグビーの試合をするというのは厳しいらしく、試合が止まったときには給水ともども首の後ろに氷を当てて冷やす姿が何度も見られました。まだ日差しがなかったからましだったでしょうが、これで晴れていたら……。

 ラインアウトでボールを確保したら、それをスローワーにパスして、そのままスローワーが切れ込んでいくオプションも試してました。こんな攻撃方法もあるんですねえ。僕が知らないだけでしょうが、色々見せてくれそうで楽しみです。

 スクラムハーフで先発出場した後藤翔太キャプテンを改めてじっくり見ましたが、球出しまでのスピードが実に速く、ボールがぽんぽん動きだしてました。加えてキレのある動きでの突破もあり、試合のリズムを作っていっているのがよく分かりました。そして、今日も熱のこもった指示の声がよく聞こえました。この熱が選手全体に伝われば、それだけでチーム力は向上するでしょうね。次はSOとのHB団としての動きを見ることに挑戦しよう(^^;

 超攻撃的ラグビーでどんどん攻めるのはいいのですが、その裏返しか、ディフェンスではまだまだ穴があるようで、ターンオーバーから大きくゲインを奪われたり、独走トライを奪われてしまったりというシーンが何度かありました。確かに「取られたら取り返す、ハイリスクハイリターンなラグビー」を標榜してますが、だからといってこれはまずいでしょう。これから夏・秋にかけての修正ポイントですね。
 決してノーガードというわけではなく、いいディフェンス・タックルや、独走に追いついて潰すシーンも見られましたので、修正してくれるものと信じてます。




●ハーフタイム
 村上晃一さんが出てきて、前半の講評をしてました。確かにどっちのチームも、ジャパンのようにキックパスを試みる回数が多かったように思いました。今年の傾向なのかな。
 そして、試合前と同じく神戸ファイニーズ・チアスターズが出てきました。今度はキッズチームが。ファイニーズ、試合は見たことないけどチアチームは見慣れてきたなあ。



●後半戦
 前半は24−12とリードし、試合自体もかなりの時間を相手陣地でプレーするという、かなり押しまくっていた展開でしたが、こういう時は得てして後半に入ると流れが変わるもの。それを心配していたのですが、的中する出だしになってしまいました。後半に入ってから3本続けてトライを奪われ、後半25分の時点で24-31と逆転されてしまいました。

 普段は神鋼が練習に使っている灘浜グランドなので、フィールドと観客用スペースの距離は非常に近く、選手がすぐそばでプレーしているのは迫力がありました。フィールドとフラットな場所で見ていたので展開などは正直見にくい時もありましたが、これはこれで楽しかったです。ぶつかり、走り、かわし、蹴る。色んな動きを見せるラグビーのダイナミズムを存分に楽しめました。

 混雑が嫌いなので、比較的空いているゴール裏で観戦していたのですが、前半は神戸が攻めていたので反対側でのプレーが多く、後半はNECが攻勢で、またしても向こうでのプレーが多くなりました。選択間違えたかも。でも、人でいっぱいのスタンドでは、芝生で見ている人に比べ、明らかに団扇をあおいでいる回数が多かったので、快適さではこっちが勝っていたはず(^^;

 コンタクトスポーツなので、試合中に怪我も当然発生するのですが、そういう時って選手はぴくりとも動かずその場に倒れているんですよねえ。そして、治療は治療として、試合は関係なくどんどん進んでいくという。

 このままずるずると負けてしまうのかと思いかけた試合終盤、神戸が執念を見せます。僕の見ていた右サイドでのラインアウトからモールを形成し、攻め立てます。そしてモールトライは厳しいと見るや、神戸得意の素早い展開であっという間に左サイドにボールを移し、NECのディフェンスが追いつく前にインゴールに飛び込んでトライ。この素早い展開、見ていて爽快なので大好きなんです。コンバージョンは外し、同点は逃しますが、流れは取り戻しました。38分には再度トライを決め、逆転します。


 最後はNECの攻撃を凌ぎきり、見事勝利で春シーズンを締めくくりました(^^)/


アフターマッチパーティー

 試合後、クールダウンを終えた選手達は顔見知りのファンと歓談したり、サインや写真撮影に応じたりしていました。後藤翔太主将などは、数人の記者に答えつつ、同時にファンの子供達にサインしたりして、忙しそうでした。でも、こういうメディアとファンが並立できている状況っていいなあと思いました。


 ラグビーで独特なのは、試合終了後にアフターマッチファンクションとして、両チームの選手が食事や飲み物を手に歓談するという風習だと思います。選手は疲れてるところに大変だと思いますが、交流の輪も広がりますし、試合中バチバチやりあっていても、後に引きずりにくいですし、いいことですよね。
 
 今日は試合後、クラブハウスの駐車場スペースで、ファンも自由参加できる形でパーティーが開かれました。参加者多数の場合は入場できないこともあると聞いていましたが、試合が終わると帰路に着く人も多く、問題なく入ることができました。

 飲食は有料とあったので予想はついてましたが、会場周辺には屋台のテントが建てられ、飲食物を売ってました。昼間と違い、テントの中にいるのは過半数が選手でした。
 そして、その値段がやけに安いんですよ。350mlの缶ジュース・チューハイが100円、缶ビールが200円、焼肉はトレイにいっぱいに詰め、キャベツ・ねぎもどっさりで300円! これってほぼ原材料費のみじゃないのか(^^;



 そうやって腹ごしらえも終わった頃、パーティーが始まりました。またしても村上晃一さんが呼ばれ、(店番を除く)神戸の選手達が壇上に呼ばれ、今日の試合やジャパンについて、色々とインタビューしてました。やはり伊藤剛臣選手はワールドカップをあきらめてないらしく、アジアン・バーバリアンズで思い切りアピールすることを宣言してました。
 

 そしてチャリティーオークションが始まりました。司会進行役の野澤バイスキャプテン、缶ビール片手でしたが(^^; 途中からろれつが明らかに酒が入ってる人のそれでしたし(^^;
 選手が使用しているジャージやスパイク、ボールなどが出品されるものとばかり思っていたら、さにあらず。出してきた6点は、一味違ったものばかりでした。確かにこれだと落札した人には強烈に心に残るし、チームとファンの距離がさらに近くなりますし、よく考えてます。むむむ、やるな。ちなみにこんなでした。

+ 子供限定・スティーラーズの選手と一緒に忘れられない夏休みの思い出作りの権利
+ イケメン選手五人とイタメシに行く権利
+ 選手がスクールに教えに行く権利
+ 関西のスポーツを盛り上げよう。選手と一緒に観戦に行く権利
+ 8/10、秩父宮でのジャパンvsアジアンバーバリアンズ戦・ペアで新幹線等の交通費込みで招待
+スティーラーズの今年度の全公式戦・年間指定席にペアで招待


 オークションをしている最中に、NECの人たちが帰るバスが出るとのことで、会場の皆で見送ったり、NECの選手もそれに答えて手を振り返したり、なんというか、ラグビー界全体で盛り上がっていこうというのが感じられて、非常に気持ちよかったです。


 続いて行われた新人紹介のコーナーでは、今年は11人+外国人1人と多かったので、なかなか大変そうでした。オークションでじっくりやりすぎたのか、巻きが入ってましたし(^^;
 そうか、近藤選手はエッフェルと呼んで欲しいのか(^^;



 そして、呼ばれないわけがないと思っていた、平尾誠二GM兼総監督の出番です。今日の試合のMVP(マン・オブ・ザ・マッチ)の発表で、林選手を選んだ後、村上晃一氏の質問に答えて超攻撃的ラグビーの姿、今現在の見通しなどを語ってくれました。


 時刻も18時半を過ぎ、MCの女の人が締めにかかったので、気の早い人は早速送迎バス乗り場に向かって歩き出した、その時。
「ちょっと待ったぁー!!」
 と、クラブハウスの中から声がかかりました。
 何があるのかと思って見ていると、出てきたのは諸肌の上に黒い服を着た一団。

 そういえば、ここのラグビーフェスティバルでは選手がダンスチームを結成して踊りを披露するのが定番になってたんだっけ。初参加なこともあり、すっかり忘れてました。それなしでも十分堪能できるボリュームと構成でしたし(^^ またこれが、結構ちゃんと踊れているから凄い(^^;

 一曲踊り終え、面白かったと思っていたら、舞台袖の野澤バイスキャプテンからもの言いがつきました。「もっと破廉恥に!」え?
 すると壇上の選手達、服を脱ぎだしたじゃありませんか。あっという間にパンツと背中の羽根のみという格好に(^^;

 今度のダンスは結構かわいい系だし(^^;
 ラガーマンの体型だからこそ許されるパフォーマンスだよな、これ……結構きわどいけど(^^;

 二曲踊り終えたところで発表がありました。去年のダンスユニットチーム名「Tバックストリートボーイズ」から、今年は変更して「灘浜パンパース」になるとのこと。……パンパース? そういや履いてる(爆) まさに、いわゆる体育会のノリだなあ(^^;

 これで終わるのかと思えば、さにあらず。ここまでのダンスユニットの努力の道をビデオで紹介……って、そんなのまで作ってるのか(^^; しかも講師のメタボ石井って、もうやりたい放題だな(^^; 今はやりのビリーズブートキャンプをイメージしてるんだろうけど、掛け声が「はい、メタボ」「ワンモアセッ」って(^^;

 そして灘浜パンパースがもう一度、かわいい方(^^;のダンスを披露。
 
 そして踊り終わった時、パンパースのリーダーが「あ、あんな所に!」と後ろを指差しました。

 総統、そんな敷地の外でずっと立って待ってたんですか(^^;


 今度こそフィナーレです。選手全員が壇上に上がり、後藤キャプテンの挨拶で締めました。

 長い時間でしたが、十分すぎるくらい濃く楽しめました。
 来年も来れるようなら是非来たいものです。
 神戸って、こんなに楽しく、ファンを大事にするチームだったんだ。なんか、観戦に行くたびに好きになっていってます。


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